ある意味では,NTTのDSLユーザーをすべて移行させようという価格設定。これで成功しなければ,本当の意味でのブロードバンドは,日本に来ない。多少不健康だが,突破口としての意味は大きい。
ソフトバンク社とヤフー社は,ADSL接続サービス「ヤフー・ビービー(Yahoo!BB)」を開始する。下り速度は平均2〜4メガbps,月額2,280円で常時接続となる。先着100万人まではモデム取り付け費無料として,年内のユーザー100万人獲得を目標としている。
300万人程度のユーザーを獲れなければ,商売として成り立たないと話しているが(ZDNet Newsの記事),実際はそれでも足りないだろう。すべてのアクセスラインを握るという下地の上に,コンテンツを配信するなどの二次収入を目論んで,初めて成り立つ商売となる(云わばiモードのブロードバンド版だ)。ソフトバンクは,無線だの光だの,さんざんブロードバンドの計画をかましてきたが,結局は格安のADSL,そしてその上でのなんらかのコンテンツ事業へと望みを繋ぐ道を選んだ。そしてそのコンテンツのためにかかせない存在として,ヤフーが必要不可欠だった。
はっきりと云えば,NTTのADSLサービスの1/3程度というこの価格設定は異常だ。東京めたりっくの状況でもわかるように(過去記事),世界中をみてもこんなイレギュラーなものは存在しない。ある意味,博打的な事業であり,決して健康的ではない。だが,本当に,今後も急増する日本のDSLユーザーを_すべて_獲得できれば(すべてでなければ失敗),状況は一変する。まぁもちろん,もう光でなければ…と頭の中では考えているのだろうから,どこかキナ臭いものがあるが,ソフトバンク・孫の最後の賭けとなる。
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